メイク10でチームの思考力と連携を鍛える研修の進め方と効果
メイク10は、4つの数字を四則演算で組み合わせて「10」をつくる速さをチームで競うゲームです。試行錯誤を分担しながら答えに近づく過程で、思考力と連携を鍛える進め方を解説します。

チームで課題に取り組んでいるのに、結局ひとりが黙々と考えて答えを出していることはありませんか?
人数が集まれば、それだけアイデアも増えるはずです。ところが実際には、誰かが考え込み、他のメンバーはそれを待つだけになりがちです。話し合いながら解く体験をしたことがないチームほど、この形に陥ります。
そこで活用されているのが、メイク10です。4つの数字を足し算・引き算・掛け算・割り算で組み合わせて「10」をつくる。誰もが一度は遊んだことのある数遊びですが、チームで速さを競う形にすると、連携のしかたがはっきり表に出ます。この記事では、そのルールと研修での活用方法を解説します。
メイク10とは?
出題された4つの数字を四則演算で組み合わせ、答えが「10」になる式をチームでつくるゲームです。




たとえば「1・2・3・4」が出たら、「1+2+3+4=10」で正解です。「2・3・5・9」なら「2×3+(9-5)=10」。4つの数字はすべて1回ずつ使い、括弧も自由に使えます。答えが1通りとは限らないので、別の式を見つけても正解です。
研修では、これをチーム対抗戦にします。ファシリテーターが数字を出題し、最も速く正しい式を見つけたチームが1ポイント。これを何問か繰り返して、合計得点を競います。
ポイントは、問題によって難易度に大きな差があることです。数秒で解ける問題もあれば、数分考えても見つからない問題もあります。簡単な問題では個人の速さが勝負を決めますが、難しい問題ほどチームで考えを出し合う力が問われます。用意するのは数字を書いた紙とペンだけ。6名から実施でき、20〜40分あれば十分に盛り上がります。
研修での活用方法

メイク10を研修に取り入れるときは、「ゲーム前・中・後」の3フェーズで設計すると効果が最大になります。
フェーズ1:ゲーム前(問題の難易度を組み立てる)
問題選びが、このワークの出来を大きく左右します。最初の2〜3問は、誰でもすぐに解ける簡単なものにしましょう。ルールに慣れてもらうと同時に、「これならできる」という手応えを全員に持ってもらうためです。
そのあとで、少しずつ難易度を上げていきます。中盤に1問、どのチームも数分は悩むような難問を入れておくのがコツです。「1・1・5・8」は、途中で分数を使わないと解けない難問として知られています(答えは「8÷(1-1÷5)=10」)。この1問があるだけで、チームの動き方が一気に変わります。
チームは3〜5名が適切です。人数が多すぎると話し合いに参加しない人が出て、少なすぎると難問で手が止まります。解答が出たらチーム全員で手を挙げ、式を読み上げてもらう形にしましょう。ファシリテーターがその場で正誤を判定できるので、進行が止まりません。
フェーズ2:ゲーム中(解き方の違いを観察する)
注目したいのは、難問が出たときのチームの動き方です。それぞれが黙って紙に向かうチームと、思いついた式を声に出し合うチームに分かれます。声に出すチームのほうが、たいてい早く答えにたどり着きます。他人の途中の式が、自分の発想のきっかけになるからです。
役割の分かれ方も見どころです。計算が速い人、別の組み合わせを提案する人、出た式を検算する人。誰も指示していないのに、自然と分担が生まれます。逆に、ひとりの得意な人に全員が頼りきっているチームもあります。どちらの形になっているかを見ておきましょう。
行き詰まったチームの切り替え方にも注目です。同じ方向の式を何度も試し続けるチームと、「掛け算から考えてみよう」と発想を変えるチームでは、その後の進み方がまるで違います。この違いは、仕事で壁に当たったときの動き方とそのまま重なります。
フェーズ3:デブリーフィング(チームでの解き方を振り返る)
振り返りの中心は、いちばん時間がかかった難問です。「あの問題は、誰のどんな一言で解けましたか」と問いかけると、チームの中で起きていたことが具体的に出てきます。勝ったチームの解き方を全体で共有するのも効果的です。
「体験→気づき→職場への接続」の順で問いを進めましょう。
- 体験を語る:「難しい問題のとき、チームの中で何が起きていましたか?」
- 気づきを引き出す:「ひとりで考えていたら、同じ時間で解けていたと思いますか?」
- 職場に接続する:「仕事で行き詰まったとき、途中の考えを周りに話せていますか?」
2つ目の問いに対しては、意見が分かれることがあります。それで構いません。「簡単な問題は個人のほうが速いが、難しい問題はチームのほうが強い」という気づきが出てくれば、課題の性質によって協働のしかたを変えるという学びにつながります。
メイク10が生む、3つの変化

変化1:途中の考えを、口に出せるようになる
完成した式でなくても、「8と2で何かできそう」と口にするだけで、他のメンバーが続きを考え始めます。未完成の考えを共有することで、チーム全体の思考が速くなります。
多くの人は、職場では答えが固まるまで黙っています。このゲームで途中の考えを出すことの効果を体験すると、会議での発言のしかたが変わります。
変化2:人の考えに乗る力が育つ
メイク10では、誰かが出した式をそのまま使えなくても、そこから少し組み替えるだけで正解にたどり着くことがよくあります。自分でゼロから考えるより、人の考えに乗ったほうが速い場面が多いのです。
この体験は、アイデア出しの場面でも生きてきます。他人の案を否定せず、そこから発展させる姿勢が自然と身につきます。
変化3:課題に合わせて、協働のしかたを変えられる
簡単な問題では、得意な人に任せたほうが速く解けます。一方で、難しい問題になると、全員で考えを出し合ったほうが強い。同じゲームの中で、その違いをはっきり体験できます。
なんでも全員で話し合えばよいわけではない。課題の性質を見て、任せるか話し合うかを選ぶ。この判断ができるようになると、チームの仕事の進め方が変わります。
こんな組織・シーンに向いている

メイク10が特に効果を発揮するのは、次のような場面です。
「チームで課題に取り組んでも、特定の人に頼りきりになる」「研修の冒頭で、頭と場を温めたい」という場に向いています。道具がほとんどいらず短時間で実施できるため、研修の導入にも、長い講義の合間の気分転換にも使えます。
新入社員研修や、部署をまたいだチームのキックオフでも使いやすい形式です。計算が得意かどうかに関係なく、チームで考える面白さを味わえます。オンラインでも、ブレイクアウトルームで相談し、チャットに式を書き込む形でそのまま実施できます。
まとめ
メイク10は、誰もが知る数遊びを、チームで考える力を体験する場に変えるゲームです。途中の考えを口に出し、人の式に乗り、行き詰まったら発想を変える。この流れが、そのまま職場での協働のしかたを変えていきます。
チームの思考力を鍛えるワークをどう選ぶか、迷うこともあると思います。そういった場合は、様々な研修ゲームをオンラインで体験することができますので、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。
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