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宇宙探索ゲームで合意形成を体験する研修の進め方と効果

宇宙探索ゲームを活用して、合意形成のプロセスを体験できる研修の進め方と効果を解説します。

「チームで話し合ったのに、自分ひとりで考えた答えより結果が悪かった」そんな経験はありませんか?

会議でよく発言するメンバーの声に引っ張られてしまったり、正しいと思っていた意見を途中で引っ込めてしまったり。こうした「合意形成のズレ」は、チームの意思決定の質に直接影響します。しかし日常の会議でこのプロセスを振り返ることは、なかなか難しいもの。

そこで活用されているのが、宇宙探索ゲームです。「正解が存在する」という特性を活かして、合意形成の質を数字で見える化できる数少ない研修ゲームのひとつです。

この記事では、その概要とルール、研修での活用方法を解説します。

宇宙探索ゲームとは?

宇宙探索ゲームとは、「個人とチームの意思決定を数字で比較し、合意形成の質を見える化するゲーム」です。

ゲームの舞台は月面。宇宙船が不時着し、最寄りの基地まで約300kmの距離があります。生き残るために手元に残った15のアイテムを、重要度の高い順に1〜15位でランキングするそれだけのシンプルなゲームです。

準備物はアイテムリスト・採点シート・筆記用具のみで、特別な道具は不要ですぐに始めることができます。

15のアイテム一覧

  • 酸素タンク(2本)
  • 飲料水(5ガロン)
  • 星座図
  • 食料濃縮物
  • FM送受信機(太陽電池式)
  • ナイロンロープ(15m)
  • 応急処置キット
  • パラシュートの布
  • 自己膨張式救命ボート
  • 信号弾
  • 拳銃(2丁)
  • 脱水粉乳
  • 携帯用加熱装置
  • 磁気コンパス
  • マッチ箱

ゲームの流れ(3ステップ)

  1. 個人ワーク(15分):他のメンバーとは話さず、自分だけでランキングを作る
  2. チームワーク(20〜30分):全員が合意できるランキングを話し合いで決める(多数決・平均は不可)
  3. 照合・採点(10分):宇宙機関の公式回答と照らし合わせ、順位のズレを合計してスコアを算出する

採点は、自分の順位と正解の順位の差の絶対値を15アイテム分合計したものがスコアで、低いほど正確です。

個人スコアの平均とチームスコアを比べると、ほぼ必ずチームのスコアの方が低くなります。

アイテムリスト・採点シート・筆記用具があれば始められ、4〜8名のチームで60〜90分あれば十分。複数チームの同時実施にも対応できます。

このゲームで見える3つの気づき

気づき1:チームで話し合うと、個人より正確な答えが出る

ほぼ全てのチームで、チームスコアが個人の平均スコアを下回ります。つまり、話し合うことで判断の精度が上がるということ。

「チームワークは大切」という話ではなく、「実際にこれだけ改善した」という数字で体感できることがこのゲームの最大の強みです。研修後の語りかけに説得力が生まれます。

気づき2:「声が大きい意見」が通りやすいことに気づける

チームワーク中の会話を振り返ると、発言量の多い人の意見が採用されやすい傾向があります。一方で、正確な判断をしていたのは必ずしもよく話したメンバーではないことも多いもの。

「誰の意見が正解に近かったか」と「誰がよく話していたか」を照らし合わせることで、チーム内の合意形成のズレが見えてきます。

気づき3:「正しいと思っていたのに言えなかった」瞬間が見える

個人スコアがチームスコアより良かったメンバーに注目すると、「意見を言ったのに採用されなかった」または「正しいと思っていたが押し切られた」という経験が出てきます。

こうした場面を振り返ることで、チームの対話の質そのものを改善するきっかけになります。

研修での活用方法

宇宙探索ゲームを研修に取り入れるときは、「ゲーム前・中・後」の3フェーズで設計すると効果が最大になります。

フェーズ1:ゲーム前 ── 目的設定とルール説明

冒頭で「今日の研修で何を持ち帰ってほしいか」を行動レベルで伝えましょう。「チームワークを高める」では曖昧すぎます。「今日のゲームが終わったあと、チームの合意形成で明日から変えることを1つ決めて帰ってもらいます」と伝えるだけで、参加者の向き合い方が大きく変わります。

ルール説明では「多数決・平均は禁止、全員の合意が条件」という点を必ず強調してください。この制約があることで、話し合いのプロセスが豊かになります。「正解が存在する」という事実は最初から伝えてOK。採点があることを知った上でゲームに臨むことで、真剣度が上がります。オープニングに5〜10分をかける価値があります。

個人ワーク前には「他の人と話さないこと」「スマートフォンで調べないこと」を明確に伝えましょう。個人の判断が混ざってしまうと、後の比較が意味を持たなくなるからです。「自分の直感と知識だけで判断してください」と添えることで、参加者が素直に向き合いやすくなります。

フェーズ2:ゲーム中 ── 観察のポイント

個人ワーク中は静観に徹し、チームワーク中に観察・メモに集中します。記録しておくとよいのは次の4場面。誰が最初に口を開いたか、意見が割れた瞬間にどう動いたか、時間が迫ったときに誰が妥協したか、そして最終的にどのメンバーの意見が多く採用されたかです。

ゲーム中に答えのヒントを出したり、進行を助けるアドバイスをしたりするのは禁物。参加者が自力で判断し、その結果を振り返るプロセスこそが学びの本体だからです。観察が丁寧なほど、後の振り返りの質が上がります。

複数チームで実施している場合は、チームを回りながら同じ観察ポイントで記録しましょう。「このチームはAさんが主導していた」「別のチームはBさんの意見が通らなかった」という比較が、全体共有を豊かにします。タイムキーパーをひとりつけておくと、チームワークのペース感も観察できます。

フェーズ3:デブリーフィング ── 点数差から気づきを引き出す

まず全チームのスコアを並べて、個人平均とチームスコアを比較します。「チームの方がスコアが低かった(正確だった)チームは?」と確認するだけで、場の空気が一気に動きます。個人スコアがチームスコアより良かったメンバーにも注目しましょう。「自分の判断のほうが正確だったのに、チームに合わせた人はいますか?」という問いが、合意形成の課題を鮮明にします。

その後「事実→意味→行動」の順で問いかけを進めましょう。

  • 事実を振り返る:「チームワーク中、意見が割れた場面はどこでしたか?」
  • 意味を掘り下げる:「なぜその意見が採用されたと思いますか?普段の会議でも同じことが起きていませんか?」
  • 行動につなげる:「明日の会議で、今日の気づきを活かして変えられることは何ですか?」

問いかけた後の沈黙を恐れず、10〜15秒は待ちましょう。深い気づきは、焦りを手放した後に出てくるもの。デブリーフィングには研修時間の30〜40%を確保するのが理想です。

こんな組織・シーンに向いている

宇宙探索ゲームが特に効果を発揮するのは、次のような場面です。

新入社員研修では、チームで話し合うことの価値を入社直後に数字で体感できます。「チームワークは大切」という言葉だけでなく、実際の経験として持ち帰れる点が強みです。管理職・リーダー研修では、「部下の意見を引き出せているか」「声が大きいメンバーに引っ張られていないか」を自分事として振り返るきっかけになります。

また「会議でいつも同じ人が話している」「意見がなかなか出ない」という課題を感じている組織にも向いています。準備物が少なく短時間で実施できるため、定例研修の導入セッションや、新しいチームのキックオフとしても使いやすいでしょう。

まとめ

宇宙探索ゲームは、合意形成の質を「数字で」振り返れる点で他のチームビルディング研修とは一味違います。感想ではなくスコアで語れるため、参加者の気づきが具体的になりやすいのが特徴です。

様々な研修ゲームをオンラインで体験することができます。以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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