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ストーリーテリング・サークルで聞く力と発想をつなぐ研修の進め方と効果

ストーリーテリング・サークルは、順番に1単語か1文ずつ足して1つの物語をつくるワークです。前の人の発言を受けて話す力が自然に鍛えられる進め方を解説します。

会議で、前の人の発言がまったく拾われないまま次の話題に移ったことはありませんか?

一人ひとりはいい意見を出しているのに、互いにつながらない。それぞれが自分の言いたいことを置いていくだけで、議論が積み上がらない。発言量は多いのに前に進まない会議には、たいていこの構造があります。

そこで活用されているのが、ストーリーテリング・サークルです。順番に1単語、あるいは1文ずつ足して、チームで1つの物語をつくる。前の人の言葉を受けなければ続けられない仕組みが、聞く姿勢を自然に引き出します。この記事では、その進め方と研修での活用方法を解説します。

ストーリーテリング・サークルとは?

輪になった参加者が順番に言葉を足していき、全員で1つの物語を完成させるワークです。

進め方は2通りあります。1単語ずつつなぐ方式と、1文ずつつなぐ方式です。1単語方式は「むかし」「あるところに」「とても」「小さな」とリレーしていく形で、文法まで全員で組み立てるため難易度が上がります。1文方式は一人ひとりが1文を足すので話が展開しやすく、初めてのチームにはこちらが向いています。

ルールはひとつだけです。前の人が出した内容を否定しないこと。「そんな展開はおかしい」と巻き戻さず、出てきたものを受け入れて次へつなぎます。物語がどれだけ突飛になっても構いません。

準備は何もいりません。4名いれば今日からでも始められて、20〜40分あれば何周か回して振り返りまで行えます。

研修での活用方法

ストーリーテリング・サークルを研修に取り入れるときは、「ワーク前・中・後」の3フェーズで設計すると効果が最大になります。

フェーズ1:ワーク前(方式と書き出しを決める)

まず方式を決めます。アイスブレイク目的なら1文方式、集中力を引き上げたいなら1単語方式が向いています。時間に余裕があれば、1周目を1文方式、2周目を1単語方式と変えると、難易度の違いそのものが話題になります。

書き出しの一文は、ファシリテーターが用意しておきましょう。「ある朝、会社に行くと机の上に見覚えのない箱が置いてあった」のように、続きが気になる形がよいでしょう。完全に自由にすると最初の人の負担が大きくなり、場が固まります。

伝えるルールは2つです。前の人の内容を否定しないこと、長く話しすぎないこと。1文方式でも、1人15秒程度を目安にすると、テンポが保たれます。6〜8名を1グループにすると、1周の長さがちょうどよくなります。人数が多い場合は複数のグループに分け、最後に各グループの物語を発表し合うと盛り上がります。

フェーズ2:ワーク中(つなぎ方と場の変化を観察する)

観察したいのは、前の人の言葉をどう受けているかです。直前の一文だけを受けて進む人と、それまでの流れ全体を踏まえて展開させる人がいます。後者が出てくると、物語に一気に厚みが出ます。

展開を壊そうとする動きにも注目しましょう。「そこで主人公は死んでしまった」のように話を止める一手が出ることがあります。責める必要はありません。むしろ、その後に誰がどうつなぎ直したかが見どころです。行き詰まりからの復帰は、そのままチームの回復力を表しています。

笑いが起きるタイミングも覚えておきましょう。たいていは、前の人の設定を思わぬ形で活かしたときに起きます。この「受けて乗せる」瞬間こそ、振り返りで言葉にしたい体験です。周回のあいだに話の密度が変わる様子も、メモしておくと役に立ちます。1周目は様子見でも、2周目には全員が乗ってくるチームがほとんどです。

フェーズ3:デブリーフィング(聞く姿勢を職場に接続する)

できあがった物語を、誰か一人に最初から読み上げてもらいましょう。断片の集まりが意外なまとまりになっていることに、参加者自身が驚きます。この驚きを起点に振り返りを始めます。

「体験→気づき→職場への接続」の順で問いを進めましょう。

  • 体験を語る:「自分の番が来たとき、何を考えていましたか?」
  • 気づきを引き出す:「次に何を言うか考えていて、前の人の話を聞き逃したことはありませんでしたか?」
  • 職場に接続する:「会議でも、同じことが起きていませんか?」

2つ目の問いは、多くの参加者に刺さります。自分の発言を準備するあまり、人の話を聞いていない。この気づきが、このワークのいちばん大きな持ち帰りです。短いワークなので、振り返りは5〜10分で十分に機能します。

ストーリーテリング・サークルが生む、3つの変化

変化1:聞いていないと、続けられない

前の人が何を言ったかわからなければ、自分の番で言葉を足せません。聞くことが強制される設計になっているため、集中せざるを得ません。

ところが実際にやってみると、自分の番の準備に気を取られて聞き逃す人が続出します。会議で起きていることが、そのまま再現されます。聞いているつもりで聞いていなかった、と自覚できる場面です。

変化2:否定しない前提が、場を軽くする

どんな展開が出ても受け入れるというルールがあるだけで、参加者の発言が大胆になります。評価されないとわかっているから、思いついたことを出せるのです。

この効果は、ワークが終わったあとの議論にも残ります。アイデア出しの前に一度この空気をつくっておくと、突飛な案が出やすくなります。会議の前の準備運動として機能します。

変化3:ばらばらの一言が、ひとつの形になる

全員が少しずつ足しただけなのに、最後には1つの物語ができあがります。誰かが全体を設計したわけではありません。順番につないだ結果として、まとまりが生まれています。

チームで何かをつくるという感覚を、短時間で味わえるのがこのワークの特徴です。自分の一言が全体の一部になる体験は、そのあとの共同作業への入り方を変えます。

こんな組織・シーンに向いている

ストーリーテリング・サークルが特に効果を発揮するのは、次のような場面です。

「会議で意見がつながらない」「アイデア出しの前に場を温めたい」というチームに向いています。準備も道具もいらず短時間で終わるため、研修の冒頭や、議論が煮詰まったタイミングの気分転換としても差し込めます。

新入社員研修や、初対面のメンバーが集まる場にも使えます。自己紹介と違って個人の情報を出す必要がないため、自己開示が苦手な人でも参加しやすいのが利点です。オンラインでも、順番を決めて発言していく形でそのまま実施できます。チャットに1人ずつ書き込んでいけば、完成した物語がそのまま記録として残ります。

まとめ

ストーリーテリング・サークルは、前の人の言葉を受けなければ進めない構造で、聞く姿勢を引き出すワークです。受けて、乗せて、つなぐ。この繰り返しが、議論が積み上がるチームの土台になります。

会議の前の場づくりに何を使うか、迷うこともあると思います。そういった場合は、様々な研修ゲームをオンラインで体験することができますので、以下のフォームよりお気軽にお問い合わせください。

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